リンク記念文集(パート2)笑い飯編で、ご希望は「笑い飯」についてでした。 えっと、「M1」決勝分析において、一度「笑い飯」について分析を行っていますので、よろしければ一度そちらをごらんになって頂いて、改めてこの文章を読んで頂けると、より管理人が「笑い飯」について思う所が分かって頂けるのではないかと思います。 では。 漫才師を2つのタイプに分けることが出来る。 技巧派と直球派である。間違ってはいけないのは、このどちらが素晴らしいという事ではない。 技巧派とは、その日のお客さんのリアクションとかで、ネタの細かい所を修正できる芸風であり、柔軟で・無理が無い印象を与えてくれる。 それに対して直球派は、ネタの中で修正がききにくく逃げ場が無い芸風であり、強引で・無茶な印象を与える。しかし、絶対的なオリジナリティと魅力があるからこそ、「笑い」が取れるのである。 「M1」で言うなれば、「ますだおかだ」は技巧派であり「テツトモ」は直球派である。 で、この二つの見分け方は 技巧派は「間」で笑いを創出し 直球派は「リズム」で笑わせるのである。 で、「笑い飯」である。 このどちらのタイプかと言えば、勿論直球派である。 だから、島田紳助さんが「へんに完成していない所が良かった」などというのである。あれが技巧派で完成していなかったら準決勝にも上がってこれなかったかも知れない。 具体的に 「羨ましい」と「略し方がへん」を言い間違えたり 「替われ!」と「座れ!」の所でもいい間違えたり、動作が不自然だったり・・・漫才師としての「フォーム」は目茶目茶だ。 しかし、誰も完成させてこなかった「両ボケ」というスタイルにあの時の審査員の中でも何かを期待させるだけの物は確かにあったと、僕は思う。 しかも、ボケあいの最初はセンテンスを長めに取って、ボケとしての幅は小さいが、徐々にセンテンスは短くなるにつれ、ボケの幅が大きくなるという手法は、漫才としてはなかなか新鮮であった。 具体的に 「機関車トーマスは今日、山の頂上に向け出発しました。途中友達のゴードンに会いました。お仕舞い。」 から(センテンス長い・ボケの幅小さい) 「機関車がアリマス。アリマスは~」 へ (センテンス 中・ボケの幅 中) 「猛スピード顔」 になるわけです(センテンス 短い・ボケの幅大きい) これからきっと彼らのスタイルに近い漫才が出てくるだろう。が、今はへんに綺麗な漫才をしようとしないで、がんがん独自路線を突っ走って貰いたいなと。すっごいものがみれるんじゃないかなと僕はワクワクしながら、舞台に立つ彼らを追っかけるのでしょう。 上京物語 というわけで、今回は「小鉄さん」から頂いたテーマです。 実の所、一回書いた文章を全く放棄して、 「読み物」としての色彩を強くしました。 つまり、「ここ」に於いても「about me」に似た感じで 具体的なモデルがいるわけじゃない、完全なオリジナルの文章です。 小鉄さんのサイトは僕のように屁理屈で文章を構成するわけでもなく、ホント、小鉄さんの目線で素直な言葉で書かれているので、これからぐっと内容が充実してくること希望します。 では。僕の中では、初めての実験的小説です。 ちょっと考えさせてくれ・・・ 目の前にいる細く手の大きい男は、そう言ったっきり、30分ただただ煙草をふかしていた。 運ばれてきた珈琲はとっくの昔に冷え切っている。 きっかけは、僕の左に座っているインテリやくざのような男の一言だった。 「君等を貰いに来た」 男は席につくなり、メニュー表も見ないで注文をウェイトレスにすると、名刺をテーブルに置き僕達を試すかのようにこう言った。 「上層部への話はほぼ片付けた。後は君等が答えを出すだけだ」 男の言葉は無駄が無い。名刺に書かれている名前はマネージャーの代名詞のように使われる程の名前だった。 上京・・・漠然と考えていなかったわけではない。 仲間などと酒を飲めばダレカレとなく上京の夢を語る。 養成所に入ってから5年。多くの仲間が夢破れて脱落して行った。正直目の前の男と3ヶ月プライベートで口聞かなかった事もあった。「辞めれば楽になる」そう思った事もあった。 だけど、ここまでやってこれたのは、上京の夢があったからだ。 舞台の上ではボケる事しかしない男が、思い出したかのように珈琲を口に運んだ 「なぁ、たかちゃん芸人として成功ってなんだ?」 細い男はいつも飲む度に自分が口にしている言葉を忘れているようだ 「芸人にとっての成功って言うのはよ、天下取ることよな、タカ」 「オレはこのままここでオワラネェ。東京行ってゴールデンで冠取って、日本中にオレの笑い見せるんだ」 上京・・・これが示すこと・・・ それは全てをゼロに戻す事。もう一度5年前に戻る事。 ここにいれば、絶対笑ってくれるお客さんがいる。慕ってくれる後輩がいる。気心知れたスタッフもいる。そして、彼女もいる・・ それさえも捨てる覚悟が僕達に出来ているのか? また、アルバイトしなきゃいけないのか?前説をやるのか?仕事は入って来るのか??それ以上に僕達の「笑い」は東京で通じるのか??? さっきから考えは行ったり来たりしている。。。 「芸人としての成功か・・・」 おもわず、口から漏れた。 オレが「タカ」をこの世界に引きずり込んだ。 タカとは幼馴染だった。いっつも一緒にいた。ガキ大将なオレとからだが弱くて、図鑑ばかり広げている「タカ」を親友にしたのは「お笑い」だった。 「タカ」は抜群に視点が良かった。ポロっとこぼす数少ない言葉がとてつもなく面白かった。 二人で「タカ」が録画していた「お笑い番組」を観て真似ていた。小学校5年生で初めてコンビを組んだ。 でも、タカは受験して難しい中学校に入った。 再び出会ったのは・・・そう、高校卒業してフリーターしていたオレのバイト先にタカが大学の新歓コンパでやってきたんだっけ? タカがオレを観るなり 「まだ夢捨てていないよな?」って聞いてきたんだっけ・・・ なぁタカ覚えているか?おれらが芸人目指したのって、ダウンタウンが4時ですよ~だの最終回観て、こんなにかっこ良い仕事他に無いよって話したからだよな。 オレラもう一回スタートラインに立てるかな? 「潤ちゃん、行かないか。今行かんと夢が夢のままだよ。ここにだってお笑いの成功はあるよ。でもギャンブルはいっぱいベットしなきゃリターンも少ないよ。」 インテリやくざは 「結論かな?」と言って支払伝票を取って席を立った。 上京・・・芸人としての成功、それはお金だけじゃないと思う。 それはメジャーと日本のプロ野球との関係に近い。 日本でやっていれば、レギュラーが保証されている選手だって、メジャーでそうだとは限らない。 それでも、メジャーを目指す選手がいる。そこには「夢」があるから。。。 スピードワゴン さて、今日のテーマは可視光さんの「スピードワゴン」 彼等もまた夢を求めて、上京してきた芸人さんの一組です。 僕は彼らの漫才しかネタを見ていない為、コアなファンの方単独とかどんな感じなのか教えて頂けると嬉しいです。 (いきなり、お願いから入ってんの・・・) 声がいい。 彼らに出会った最初の印象はこれだった。 芸人として「声」に特徴があるということは、耳に残るという一点だけを考えても、得である。 最近では、アメリカザリガニ・麒麟・飛石連休などもここに含まれる。その上で更に抜群に二人の声のバランスが良いのだ。 低音は聞きにくくなりやすい。 高音は耳障りになりやすい。 そのどれでも無いのは、二人のリズムが生んでいるように思う。 こんなに分析しがいの有るコンビも珍しいかも。 ここまで書いて改めてふと僕は考える。 ネタ的に言うとかなり実験的なタイプだ。正統派という枠組みではない。意図的にネタを寸断させる(M-1の分析参照)事もある。 オンバトではいきなり座ったりもした。 漫才のテーマはよく使われるテーマのように思えて、狙って似たものを続けて出してきたりもしている。 その上 「やい!」と「あたしゃ認めないよ」 だ。 漫才のつかみ以外で決まった台詞を違うネタで繰り返して使う、これまた実験的だ。 そう、彼らは創造者でありながら破壊者の顔をも持っている。 いたずらっこ。そんな可愛い言葉で片付ける事も可能だ。 が、この実験好きな破壊者は きっと素敵な声で新しい笑いを作ってくるんだろう。 なぜかって?それが彼らが上京してまで追った「夢」に違いないからだ。 ちょっと遅くなったけれど 今回のテーマを与えてくれたリンク先のHP「卯選」の管理人さんは 子供と大人が混じった苦味のある文章を書いていて、そんな文面が僕はとっても好きだったりします。 カリカ 幸せなら手を叩こう♪幸せなら態度で示そうよ♪ほら皆で手を叩こう♪ カリカの出囃子は坂本九さんのこの曲だ。 けっして今ぽく無いスタンダードな選曲・・・これが本質的な部分での「カリカ」だと思う 「カリカ」は本質的にコント師だ。 それも、爆笑をさらっていく「キャラメイン」のコント師ではない。脚本、特に設定で空間を歪ませるコント師だ。 東京吉本で見たとき「キャラメイン」の代表は「ペナルティ」だろう。そこから、ハローバイバイ→ニブンノゴ!→カリカ というの感じかな? 単純にシュールという言葉で片付けるのは簡単だ。 しかし、シュールでちゃんと笑いを取る為にはちゃんと計算が必要になってくる。 先日のドラフト会議のネタは「センセイ」がテーマだった。 椅子に座り正面を向く二人。 ほとんど動きが無く掛け合いのみに近いスタイル。 センセイは「先生」であり「宣誓」にもなり「先制」に換わる 大爆笑をさそう芸風じゃない。舞台的な印象も強い。 「カリカ」のオールナイトトークは落ち着いたお洒落な人が多い気がする(芸大ぽいというか、デザイン学校ぽい匂いの女性が多い気がする) 林さんは貴重なキャラクターだ。 芸人さんとしての変な色が無い。 何もしなそうで、何でもやる。 家城さんの脚本は空白が多い。 絵本のように説明の部分が少ない。 その分、受け取った側は想像で絵本の「絵」を探す事になる。 僕は「カリカ」が好きだ。 大爆笑させようってゆうリキミが無いところが好きだ。 今回のリンクは「もも」さんの「smileseed」 カリカのファンサイトです。落ち着いていて、見やすいお洒落なサイトです。 幸せなら態度で示そうよ・・・♪ ジャンル別一覧
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